技術系公務員志望者に、おすすめする公務員試験の滑り止めが、労働基準監督官です。技術系で、どうしても公務員になりたくて、国家(総合職、一般職)、地方上級の公務員試験を受験する方には、労働基準監督官の併願を、筆者はおすすめします。もちろん、筆者も受験して合格しました。そこで、ここでは、筆者が、労働基準監督官をおすすめする理由を、筆者の経験とともにお伝えします。
1.労働基準監督官の試験区分
労働基準監督官の試験は、国家専門職に分類されます。そして、労働基準監督官の試験は、以下のように2つに分かれます。
- 労働基準監督官A(行政系)
- 労働基準監督官B(技術系)
この2つの中で、国家総合職、国家一般職、地方上級を、技術系で受験するのをおすすめするのは、後者の労働基準監督官Bです。
2.一般教養試験がほぼ同じ
労働基準監督官の併願を、おすすめする理由のひとつが、一般教養試験の出題形式と、レベルが国家一般職試験と、ほとんど同じだからです。
国家総合職の勉強をされている方にとっては簡単だと思います。また、国家一般職や地方上級を受験する方にとっては、自分の第一志望の、一般教養試験の勉強さえしておけば、何も対策をする必要はありません。一般教養試験全般の勉強法については以下でし紹介しています。
筆者の場合
筆者は、技術系で国家一般職と、地方上級を受験しましたが、労働基準官監督官向けの一般教養の対策は何もしませんでした。過去問集すら解いていませんし、過去問も取り寄せていません。
3.専門試験は工学に関する基礎が中心
続いて専門試験(選択)です。専門試験の出題範囲の中心は、工学に関する基礎です。正確には以下のようになっています。
- 工学に関する基礎(38問中32問解答)(数学・物理・化学)
- 労働事情に関する問題(8問解答必須)
国家総合職、国家一般職、地方上級の公務員試験では、技術系の場合大半で、工学に関する基礎からも問題が出題されます。そのため、工学に関する基礎の勉強が必須です。
労働基準監督官Bでは、工学に関する基礎の問題が、専門試験の中心を占めます。併願しておけば、ほぼ勉強せずに、一次試験を突破できるはずです。工学に関する基礎の勉強法やおすすめの書籍に関しては以下を参考にしてください。
ただし、労働基準監督官の場合、工学に関する基礎で化学が出題されます。レベルは高校レベルですが、忘れている方は対策が必要です。
筆者の場合
労働基準監督官のための専門試験の勉強は、全くしませんでした。国家一般職と地方上級のための、工学に関する基礎の勉強のみでしたが、労働基準監督官の工学に関する基礎はできました。労働事情に関する問題も、全く勉強せずに、適当にマークして、2問正解しました。工学に関する基礎ができれば、労働事情は捨てていいと思います。
4.記述試験は工業事情と工学に関する基礎
労働基準監督官の記述試験で出題されるのは以下です。
- 工業事情
- 工学に関する基礎
工業事情で記述させるのは、労働災害やその防止、近年注目されている(ニュースなどで度々報道されている)技術や法律と労働環境や労働災害との関係についてです。大体一問につき、5行程度で、文章での記述を求められます。
工学に関する基礎では、いくつか提示される分野の問題から、大問を1問選択してそれを解きます。自分の専門に近い内容から選べばいいと思います。出題される分野は以下です。
- 機械
- 電気
- 土木
- 建築
- 衛生・環境
- 化学
- 数学
- 物理
大問の中には、小問があります。その小問を、記述形式で順番に解いていきます。自分の意見を記述するのではなく、大学の定期試験のように、記述式で問題を解答するイメージです。
筆者の場合
記述試験についても何も勉強せずに、試験を受けました。そもそも、記述試験で何が出題されるかも知らずに、試験会場に行き、試験開始前にスマホで記述試験の出題内容について調べました。そこで、工業事情に関する記述問題が出題されることを知り、焦ったのですが、試験では何事もなく5行記述できました。続いて、工学に関する基礎についての記述です。筆者は、化学区分で他の公務員試験を受験したのですが、労働基準監督Bの記述試験では、物理の問題が簡単だったので、物理の問題を解きました。
5.まとめ
- 一般教養が国家一般職とほぼ同じ
- 専門選択試験の中心は工学に関する基礎
- 記述試験も工学に関する基礎と工業事情