公務員試験技術職(化学)勉強広場

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技術系の公務員試験の勉強法を紹介します。職種は技術職(化学)です。一般教養は行政と技術の区分なしで、専門試験は希少な化学を専門とする方の参考になれば。

【技術系公務員(化学)】専門試験の勉強法:分析化学

本記事では、技術系公務員(理系)化学区分で受験される方向けに、専門試験対策として、分析化学の、勉強法とおすすめ書籍を紹介します。想定しているレベルは、国家一般職、地方上級レベルです。

化学区分で受験される方のための、専門試験の全体の勉強法は以下で紹介しています。

【関連記事】専門試験の勉強法:全体の流れ

顕微鏡で分析中

1.はじめに

分析化学について良く知らない方のために、分析化学について述べておきます。分析化学は、化学物質の存在量や、状態を特定するための分析手法を取り扱う分野です。

化学物質を分析する手法は、多岐に渡ります。すべての、分析法を一から学んでいたら1年以上はかかると思います。また、それら全てを使いこなせるようになるには、さらに時間がかかります。

このように、分析化学は非常に幅広い分野ですが、公務員試験で出題される問題は大きく、以下の二種類に分かれます。

  • 核磁気共鳴(NMR)スペクトル、赤外分光(IR)スペクトルの読み取り問題
  • 分析化学に関する知識、計算問題

NMR、IRスペクトルの読み取り問題は、スペクトルが問題文に提示され、そのスペクトルに該当する物質を選択肢から選ぶ問題です。NMRスペクトルのみ、IRスペクトルのみが提示される場合もあれば、両方が提示される場合もあります。国家一般職の場合は最低1問、多くて2問出題されます。

分析化学に関する知識、計算問題では、滴定(酸塩基、酸化還元、沈殿)の計算問題や、イオン分析の知識・計算問題、機器分析に関する知識問題が出題されます。

このように、分析化学の問題では、スペクトル読み取り問題と、分析化学に関する問題に分けることができます。そこで、勉強法とおすすめ書籍の紹介では、スペクトルの読み取り問題と、分析化学に関する問題に分けて説明します。

2.勉強法

0.過去問の分析

まず、各分野の勉強をする前に過去問分析をしましょう。過去問分析についてご存じない方は、以下をご覧ください。過去問分析を通して、苦手分野を把握し、効率的に勉強しましょう。

過去問分析が公務員試験の勉強で必須な理由

専門試験(化学)の過去問分析でやること5つ

1.NMR、IRスペクトルの読み取り問題の勉強法

NMR、IRスペクトルの読み取りは、大学の講義や実験で習った方はできると思います。また、大学4年生以上で有機化学の研究室の方なら、NMR、IRスペクトルの読み取り練習をしなくてもできる方が多いと思います。

ここでは、まだNMR、IRスペクトルの読み取りについて知らない方や、大学の専攻が化学でない方などの初学者向けに説明します。すでに、NMR、IRスペクトルについて習った方でも、苦手な方は参考にしてください。

NMR、IRスペクトルの読み取りができない方は、2パターンに分かれると思います。NMR、IRについて知らない初学者(化学系大学1~2年生、化学を専攻していない方)NMR、IRやスペクトルの見方もわかるものの、スペクトルの読み取りができない方に分かれます。

そもそも、NMR、IRについてご存知ない初学者の向けに、以下でNMRとIRの原理について簡単に説明しています。(正式には書籍で勉強してください。この記事の下部に掲載している説明は、本記事を読む補助のためです。)

【参考】NMRとIRの原理の簡単解説 

NMR、IRについて知らない初学者は、NMR、IRの、原理、使用目的、操作法を簡単に勉強しましょう。その後、NMR、IRスペクトルの読み取り方について学び、練習問題を解きましょう。

NMR、IRやスペクトルの読み方はわかるものの、スペクトルの読み取りができない方演習不足です。演習問題が記載されてある書籍で演習をしましょう。

2.分析化学に関する知識、計算問題

分析化学に関する知識問題は、分析化学の本で出題される分析法や、分析機器に関する基礎知識の勉強をしましょう。測定原理、おおまかな測定の流れ、測定してる物理量、測定の際の注意点、得られた測定値を解釈する際の注意点といった、種々の分析の特徴を覚えましょう。分析法や機器分析についてまとめられた書籍を読むことで、勉強すればよいと思います。

滴定(酸塩基、酸化還元、沈殿)の計算問題や、金属のイオン分析が苦手な方は、一般化学の書籍を用いて勉強しましょう。これらの問題のために、わざわざ書籍を購入する必要はありません。滴定の問題なんて、高校レベルと大して変わりません。一般化学の書籍を読んで、スー過去化学と過去問で演習を積めばすぐにできるようになります。一般化学の勉強法については、以下です。

専門試験の勉強法:一般化学/物理化学

3.おすすめの書籍

NMR、IRスペクトルの読み取り対策におすすめの書籍

『ベーシック有機構造解析』

この本は、NMR、IRに関して学べるとともに、NMR、IRスペクトルの読み取り問題の演習が可能です。(演習は公務員試験の問題と形式が異なりますが、この演習問題ができるようにしておけば、本試験の問題は解けます。)

初学者はNMR、IRについて勉強した後に、スペクトルの読み取り問題の演習に取り組みましょう。スペクトルの読み取り方についても、説明もあります。

NMR、IRは知っているけど、スペクトルの読み取りに自信のない方は、読み取りの練習を積みましょう。忘れている内容があっても大丈夫です。NMR、IRの説明があるので見返せばすぐに思い出せると思います。

さらに、おまけに質量分析法(MS)に関する説明もあります。公務員試験では、分析化学に関する知識問題や計算問題で出題されるので、ついでに勉強してしまいましょう。スペクトルの読み取り練習用の演習問題も付いていますが、公務員試験の勉強では使いません。研究や実習でMSを使う機会があれば、参考にしてください。

分析化学に関する問題対策におすすめの書籍

『分析化学 機器分析編 基礎教育シリーズ』

この本一冊で、公務員試験で出題される分析法、機器分析の対策が可能です。公務員試験でよく出題されるのは、核磁気共鳴、吸光・発光分析、蛍光X線分析(特性X線分析と原理はほぼ同じ。入射光がX線か電子線かの違い)、クロマトグラフィー、質量分析、赤外分光法、ラマン分光法です。これら全ての内容を、この本で学ぶことができます。

また、そこまで厚さもなく、上記分野のみであれば、毎日読むとすると1週間程度で読み終えることができます。

電気化学的分析に関しても記述があるので、興味がある方や余裕のある方は勉強してみるとよいと思います。(出題されたら点がとれますから。)

さらに、この本は公務員試験だけでなく、研究室配属後にも役立つと思います。研究室に配属された後に、この本を一冊持っていると、実験で使う分析法や分析機器について調べられて便利です。

4.まとめ

  • NMR、IRについて知らない方は、まずNMR、IRについ勉強
  • NMR、IRスペクトルの読み取りは演習書で練習
  • 分析化学の知識問題は分析法、機器分析がまとめられた書籍で対策
  • 滴定や金属イオンの分析は一般化学の書籍で勉強

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