公務員試験技術職(化学)勉強広場

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技術系の公務員試験の勉強法を紹介します。職種は技術職(化学)です。一般教養は行政と技術の区分なしで、専門試験は希少な化学を専門とする方の参考になれば。

【技術系公務員(化学)】専門試験の勉強法:無機化学

本記事では、技術系公務員(技術系)化学区分で受験される方向けに、専門試験対策として、無機化学の、勉強法とおすすめ書籍を紹介します。想定しているレベルは、国家一般職、地方上級レベルです。

化学区分で受験される方のための、専門試験の全体の勉強法は以下で紹介しています。

【関連記事】専門試験の勉強法:全体の流れ

グラフェンのモデル

1.はじめに

わからない方のために、無機化学について説明しておきます。無機化学では無機物を取り扱うための理論や、実際の無機物について学びます。

無機化学は理論分野と暗記分野に分かれます。

  • 理論分野・・・原子・分子の構造、酸塩基の平衡、結晶構造、錯体化学など
  • 暗記分野・・・無機物の性質、反応、製法、用途など

続いて、無機化学の勉強法を紹介します。

2.勉強法

ここでは、無機化学を勉強する方法を紹介します。常に効率的に勉強することを意識しましょう。

無機化学は以下の順番で勉強しましょう。

理論分野 → 暗記分野

これは、理論分野の問題ができれば、無機化学の分野の得点が安定するからです。理論分野の問題は、理論がわかって問題に解き慣れれば、大体の問題が解けるようになります。一方で、暗記分野は、覚えていない知識を問う問題が出題された場合に、確実に得点できるとは限りません。そのため、理論分野から勉強すべきです。

  • 理論分野が苦手な方 → 理論分野から
  • 理論分野はわかる方 → 暗記分野

無機化学の理論分野は、一般化学/物理化学と重複している分野が大部分だと思います。一般化学/物理化学を一通り勉強された方は、ほぼ勉強済だと思います。一般化学/物理化学の勉強法とおすすめ書籍は、以下で紹介しいます。

専門試験:一般化学/物理化学の勉強法

一般化学/物理化学で、無機化学の理論分野まで勉強された方は、理論の勉強は必要ないでしょう。筆者の場合も、一般化学/物理化学を勉強することで、ほとんど無機化学の理論分野を勉強せずに済みました。(勉強したのは錯体化学だけでした。)

具体的勉強法の説明をします。

0.過去問の分析

まず、各分野の勉強をする前に過去問分析をしましょう。過去問分析についてご存じない方は、以下をご覧ください。

公務員試験の勉強で過去問分析が重要な理由4

専門試験(化学)の過去問分析ですべき5つのこと

過去問分析を行うことで、理論分野と暗記分野の得意、不得意がわかります。また、理論分野の場合、不得意な種類の問題も特定可能です。

1.薄い書籍での知識の吸収

過去問分析を終えたら、必要な知識を効率的にを習得しましょう。

無機化学全般の基礎知識を網羅した薄い書籍を用いて、苦手分野の基礎知識を学習すると良いです。

無機化学の理論分野が苦手な方は、必須です。薄い書籍で、苦手な分野の基礎知識を身に付けましょう。公務員試験の場合、理論分野は暗記分野と異なり、基礎知識を理解しておけば、ほとんどの問題が解けます。

無機化学の暗記分野が苦手な方は、薄い書籍を用いた勉強は必須ではありません。しかし、無機物質の性質、反応、製法、用途等に関する知識がほぼない方や、無機化学を勉強したことがない方は、基礎知識を勉強した方が良いと思います。無機化学の暗記分野で基礎的な問題ができる方は、基礎知識の勉強は必要ありません。

また、暗記分野は勉強すると、きりがない分野なので、基礎的知識のみで試験に臨み、知らない問題が出題されたら捨てて構いません無機化学の理論分野や、他の問題で得点できていれば合格できます。無機化学の詳細な知識まで勉強するよりは、落としてはいけない問題を確実に正解することを心がけましょう

無機化学の全分野が苦手(不安)な方は、薄い書籍を用いた勉強をする場合、最初から最後まで読んでみると思います。薄い書籍であれば、全分野勉強したとしても、時間はかかりません。毎日読めば、1週間程度で読み終えることができると思います。薄い書籍を最初から最後まで読む方は、素早く読み終えることを心がけましょう。効率的に勉強しましょう。

2.演習書の活用

薄い書籍で基礎知識を吸収した後は演習です。演習書は解説の充実した演習書を使いましょう。(分厚い演習書は使わない方がよいです。時間がかかり過ぎて非効率的です。)

無機化学の理論分野が苦手な方は、必ず演習書を用いて練習しましょう。理論分野は演習まで行って初めて、問題を解けるようになります。

無機化学の暗記分野が苦手な方は、必ずしも演習書を使う必要はありません。演習を積むことで、基礎知識の定着具合を図れたり、引っ掛けのポイントを学べたりしますが、演習をしてなくても問題ありません。勉強した知識を暗記できていれば、公務員試験の問題は解けます。本試験まで時間のない方は、暗記分野の演習までする必要はありません。

全分野が苦手(不安)な方は、理論分野の演習は必ず行いましょう。暗記分野の演習はしてもしなくてもどちらでもよいです。本試験まで時間のない方は、暗記分野の演習までする必要はありません。

使用法です。過去問の出題傾向、形式に沿った問題を何度も解きましょう。
演習書に載っている全ての問題を、解く必要はありません!

初見では、解けなくても大丈夫です。解説を読んで間違えた理由を把握するようにしましょう。理解できたら、翌日以降で、もう一度同じ問題を解きましょう。この作業を、できるようになるまで繰り返します。

また、演習書を用いた勉強を終えたら、スー過去化学で以前解けなかった問題が、解けるようになっているか、確認してもいいと思います。

3.無機化学の暗記分野を得点源に

無機化学の暗記分野で、基礎知識を用いて解けない問題を、解けるようにするためには、分厚い書籍を読むしかありません。

使用法としては、辞書代わりに使うようにしましょう。決して、最初から最後まで読もうとしてはいけません。非効率的です。

基礎知識から逸脱した、詳細な知識を要する暗記問題ができなくても、問題ありません。あくまで、分厚い書籍を使った勉強法は時間に余裕のある方が行ってください。他分野が苦手な方は、そちらの勉強を優先的に行いましょう。

3.おすすめの書籍

無機化学の勉強に使用する、おすすめの書籍を紹介します。

基礎知識を勉強するためのおすすめの薄い書籍

『ステップアップ 大学の無機化学

この本は、大学レベルの無機化学の基礎知識を網羅しています。この本一冊で、無機化学の基礎知識が理解できるため、非常におすすめです。初学者でも理解できるような説明になっています。また分量も、毎日読めば、1週間程度で読める本です。無機化学の全分野に不安を抱いている方が最初から最後まで読んでも、時間をかけずに読み終え、基礎知識を習得できます。

『工学のための無機化学

この本は、別口で項目を作るか迷ったのですが、ここに記載しておきます。そのくらい、役に立つ本です。ここに書くべきか迷った理由は、薄くないからです。大きくはないのですが厚みがあります。

しかし、この本は、暗記分野の重要ポイントが端的にまとめらています。無機化学の本では、各元素の特徴について詳細は書かれていますが、各元素を代表する物質の記述に関しては、少ない本が多いです。(公務員試験でよく出題されます。)しかし、この本では各元素の代表的物質(工学的に重要な物質)に関する、性質、製法、用途が簡潔にまとめられています。(例えばAlの場合、工業的に重要な無機材料はアルミナ(酸化アルミニウム)です。)

実際に開いてみるとわかるのですが、見開き1ページで重要項目が一つまとめてあります。左のページに説明、右のページに図です。無機材料の性質、製法、用途に関してはこの一冊で十分です。演習問題も必要ないくらいです。この本に記載されていない問題が出題されたら、捨ててもいいと思います。そのくらい、必要事項がわかりやすくまとめられた本です。

一方で、前半には理論分野が記載されていますが、暗記分野と同様なまとめ方をしているため見にくいです。理論分野の勉強には向いていません。この本は暗記分野の勉強に使用するのがおすすめです。

おすすめの演習書

『演習で学ぶ無機化学

この本は、厚さが薄く理論分野で重要な問題のみを選んで、例題形式で記載している演習書です。解説も充実しています。初学者でも、ひとりで勉強が可能です。そのため、非常におすすめです。この本の問題を解くだけでも、国家一般や地方上級レベルの問題は解けるようになります。

無機化学の理論分野が苦手な方は、まずこの本で演習を積むと良いと思います。どの問題も基礎的な問題のため実力がつきます。

また、各例題の前に説明があり、基礎知識の確認ができる点もおすすめです。本試験前にこの説明を見るだけでも、十分な復習になります。演習にも良し、復習にも良しといった構成です。

また、本試験まで時間がなく、無機化学の理論分野が苦手な方は、この本に記載されている問題を解くだけでも、無機化学の得点率が向上すると思います。

無機化学演習ー基本から大学院入試まで』

この本は、上記の本に比べより演習問題の分量が多く詳細な部分まで勉強することができます。また、解説が充実しているため、ひとりで勉強するのに適した演習書です。

ただし、国家一般職や地方上級レベルの場合、明らかに試験問題のレベルを逸脱した問題も記載されています。そのため、過去問分析やスー過去化学で、出題傾向、形式、自分の苦手を把握して、解くべき問題とそうでない問題に分類して取り組みましょう。

さらに、地味にありがたいことが、解説が充実しているにも関わらず、サイズがB5サイズで厚みもないため、持ち運びに便利です。どこにでも持ち運べて、隙間時間に勉強でき、筆者も重宝しました。

辞書代わりに使うおすすめ書籍

無機化学 その現代的アプローチ』

化学系の方だと知っている方もいると思います。無機化学の勉強をしていて、疑問が生じたり、問題を解いてわからないことがあったり、気になることがあったりしたら、この本で調べると良いと思います。辞書のように使うのがおすすめです。理論分野の記載が多いですが、暗記分野も充実しています。辞書替わりの本にはこれ一冊で十分です。

5.まとめ

  • 理論分野と暗記分野に分かれ、理論分野から勉強
  • 理論分野、暗記分野ともに基礎知識を書籍から習得
  • 理論分野は演習書を活用して知識定着
  • 得点源にするためには、分厚い書籍を活用(時間に余裕のある方のみ)

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